ラテン文を読む
テキスト
さて、ラテン語の文法を終えたら、さっそくラテン語の文章を読んでみよう。読めば読むほど上達するものである。
ラテン語で書かれたものはたいてい古いので著作権がない。このため、有名な古典でもインターネット上にタダで転がって いる。代表的なサイトを挙げておこう。
- The Perseus Digital Library
- The Latin Library
- bibliotheca Augustana
- An Analytic Bibliography of On-Line Neo-Latin Texts
- Der Heilige Stuhl - Archiv
この中から、自分が面白そうだと思ったものを選んで読んでみるとよいだろう。
さしあたり何を読んだら分からない方には、カエサル(Caesar)やキケロー(Cicero)の散文を読まれることをお薦めする。これは、後世、模範的なラテン語とされた黄金期のラテン語のうち、もっとも格調高いとされる文章であるし、内容自体も面白い。
なお、『ハリー・ポッター』にも羅訳がある(日本語版はこちら)。その他の現代の児童文学にも、いくつか羅訳があるので、腕試しに挑戦してみてはいかがだろうか:
- 『星の王子様』(日本語版はこちら)
- 『くまのプーさん』(日本語版はこちら)
- 『プー横丁にたった家』(日本語版はこちら)
- 『サンタクロースっているんでしょうか?』(日本語版はこちら)
- 『おおきな木』(日本語版はこちら)
- 『グリンチ』(日本語版はこちら)
- 『オズの魔法使い』(日本語版はこちら)
ラテン語でマンガを読んでみたい方はこちら。
訳書
座右に翻訳を置いておきたい方には、次のリストが参考になろう。なお、一般論として、それぞれの翻訳には一長一短があり、また、解釈が異なる箇所も少なからずあるので、二つ以上の翻訳を備えておいたほうが安全である。
- キケロー - Marcus Tullius Cicero(紀元前106~紀元前43年)
- カエサル - Gaius Iulius Caesar(紀元前100~紀元前44年)
- ウェルギリウス - Publius Vergilius Maro(紀元前70~紀元前19年)
- オウィディウス - Publius Ovidius Naso(紀元前43年~紀元17年)
- セネカ - Lucius Annaeus Seneca(紀元前4年頃~紀元65年)
- タキトゥス - Publius Cornelius Tacitus(55年頃~115年以後)
- トマス・アクィナス - Thomas Aquinas(1225年頃~1274年)
〔付録:現代語関連文献〕
- エドワード・ギボン - Edward Gibbon(1737~1794年)
- テオドール・モムゼン - Theodor Mommsen(1817~1903年)
辞書
ラテン語を読むのに辞書は不可欠であるが、便利なことに、インターネット上には、辞書も転がっている。
- Wörterbuch Latein/Deutsch
- Perseus Latin Dictionary
- Latein Link Lexikon:辞書とリンクを組み合わせたユニークなものだが、未完成(辞書はCまでのみ)。
- Latinitas Recens: Latin to Italian and English
- Latinitas Recens: English to Latin
ただ、辞書に関していえば、やはり紙媒体のほうが使いやすいし、信頼が置ける。
- 田中秀央『羅和辞典』
- 田中秀央・落合太郎『ギリシア・ラテン引用語辞典』
- 柴田光蔵『法律ラテン語辞典』
- 木下文夫『和羅辞典』
- Oxford Latin Dictionary
- An Elementary Latin Dictionary
- Chambers Murray Latin-English Dictionary
- Collins Gem Latin Dictionary: Latin-English English-Latin
- Cassell's Latin Dictionary: Latin-English, English-Latin
- PONS Wörterbuch des neuen Lateins. Deutsch - Latein.