「-or, -atus sum, -atum, -ari」:倒錯動詞(verba deponentia)

受動態の形をとりながら能動的な意味をもち、かつ、能動態の活用を初めから欠いている特殊な動詞を、「verba deponentia」という。「deponentia」は、「depono, deposui, depositum, deponere」(下に置く、倒す、捨てる、寄託する)の能動態現在時制分詞中性複数主格形である。ドイツ語では「Deponentien」、英語では 「deponent verbs」というように、そのまま呼んでおり、また、日本語でも「デーポーネント動詞」とそのまま呼ぶことがある。また、形式的に受動態であるというこ とで、「形式所相動詞」と呼ばれることもある(能動態のことを「能相」、受動態のことを「所相」ともいう)。しかし、ここでは仮に「倒錯動詞」と訳してお くことにしよう。

倒錯動詞においては、原則として、能動態の活用が欠けている。但し、現在分詞・未来分詞・未来不定詞については、例外的に能動態が存在する。この結果、未 来不定詞の 受動態(「iri」を使うもの)は使われない。

また、ゲルンディウムとスピーヌムも存在する。

辞書に載る形は、「-or, -atus sum, -atum, -ari」となるはずであるが、一人称単数完了形とスピーヌムは情報がかぶるため、通常はスピーヌムが省略されて、「-or, -atus sum, -ari」と書かれるのが普通である。しかし、スピーヌムが存在しないわけではないから、「-or, -atus sum, -atum, -ari」と書いたほうがよいだろう。

このパターンの活用をする動詞

このパターンの活用をする動詞には、次のようなものがある。
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